子どもを勇気づける言葉を選びたい。
子どもの存在をまるごと受けとめたい。
そう思いながらも、ついイライラしてしまったり、
過去に言われたようなことを、そのまま口にしてしまったり……。
私たち大人もまた、
「小さかった自分」をどこかに置き忘れたまま、
一生懸命子育てをしているのかもしれません。
アドラー心理学の勇気づけは、「大人」にも必要
アドラーはこう言っています。
人が変わるには、まず“勇気”が必要である。
それは、子どもだけでなく、大人も同じ。
私たちが誰かを育てようとするとき、
自分自身の“勇気”もまた問われているのだと思います。
勇気がくじかれている大人は、
子どもの挑戦に寛容でいられないことがあります。
自分に向けられてきた厳しさや否定を、無意識のうちに繰り返してしまうことも。
インナーチャイルドとは?
インナーチャイルドとは、
「過去の経験によって形づくられた、自分の中の“幼い自分”」のこと。
たとえば──
- 小さいころ、失敗を強く責められた
- 頑張っても十分に認めてもらえなかった
- 「いい子」でいることを求められ続けた
そんな経験は、大人になっても無意識の「思いこみ」として残り続けます。
子どもとの関わりで“自分の傷”に気づくとき
子どもと向き合っていると、
なぜか妙にイライラしたり、過剰に反応してしまう場面があります。
それは、過去の自分が感じた痛みやさみしさが、再び呼び起こされているからかもしれません。
たとえば──
- 子どもがミスをしたとき、「ちゃんとしなさい!」と強く言ってしまう
→ 自分も“完璧”を求められていた経験がある - 子どもが甘えてくると、なぜかモヤモヤする
→ 自分は“甘えてはいけない”と感じていた
こうした気づきは、子どもを通して自分の心を見つめ直すチャンスでもあります。
自分への勇気づけの言葉を持つ
子どもにかける言葉は、
自分自身に向けても使えるものばかりです。
- 「失敗しても、あなたの価値は変わらない」
- 「できなくても、ここにいてくれてうれしい」
- 「今はつらいけど、ちゃんと前に進んでるよ」
- 「もう自分を責めなくていいよ」
自分の中のインナーチャイルドが、
こうした言葉を待っているのかもしれません。
おわりに:
子どもと一緒に、わたしも育つ
子育ては、子どもを育てる時間であると同時に、
自分の過去と向き合い、癒していく時間でもあります。
誰かを勇気づけるには、まず自分を勇気づけること。
それは弱さではなく、とても強い生き方です。
完璧じゃなくていい。
子どもと一緒に、私もすこしずつ育っていけばいい。
そう思えたら、今日の小さなつまずきにも、
やさしいまなざしを向けられる気がします。
✅シリーズ記事リンク(まとめ)
▼ 第1回:「子どもを勇気づけるって、どういうこと?」
▼ 第2回:「「叱らない子育て」は本当にうまくいく?」
▼ 第3回:「困った行動はなぜ起きる?」
▼ 第4回:「自己肯定感と貢献感のちがい」